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※画像はイメージです


化学工業日報7月29日記事で、

中外製薬がダウン症治療薬の臨床試験を日本で開始した

とのニュースがありました。

ロシュが創製*1した低分子化合物「RG1662(開発コード)」で、ダウン症の知的能力を改善する薬剤として製品化を目指すそうです。
 *1:新しいものを作り出すこと


ダウン症の治療に有効とされる薬剤はまだありませんので、私たちが待ち望んだ薬が、新たに作り出される可能性があります。

今まで何度か臨床試験が行われているというニュースが海外ではありましたが、私自身遠い世界の話で聞いていたところがありました。

ところが今回、日本メーカーが日本で治験を行うことで、一気にダウン症の治療薬が私の中で色が付き始めています。


新薬は完成する過程で悲しい事件になることもよく聞くところですが、とにかく次の段階に進んだところに意義があると思います。

開発が順調に進めば、RG1662がダウン症の治療薬としてファーストインクラス*2の新薬になる見通しだそうです。
*2:画期的医薬品


■First-in-class、画期的医薬品
※公益社団法人日本薬学会の薬学用語解説より

医療用医薬品で新規に厚生労働省の承認を得て、薬価基準に収載されたものを新薬(新医薬品)と呼ぶ。

画期的医薬品(ファースト・イン・クラス)は、特に新規性・有用性が高く、化学構造も従来の医薬品と基本骨格から異なり、従来の治療体系を大幅に変えるような独創的医薬品をいう。

新薬の薬価算定における3つの補正加算のうちの1つ、「画期性加算」がつけられる。新薬としては、「ピカピカの新薬」が縮まって、業界用語では「ピカ新」と呼ばれている。

画期的新薬(ピカ新)は、同じ効果を持つ対象医薬品の1.4~2倍の薬価(類似薬効比較方式)が付けられるため、製造開発する製薬企業としてはそれだけ利益が大きい。

一方、既存品を真似せずに、新しい化学構造の化合物を、時間と人を費やし試行錯誤をくりかえして開発をするため、膨大な研究開発費がかかっている。

なお、画期的医薬品(ファースト・イン・クラス)は、市場に一番手で登場したときには最も優れている薬であるが、その後に出てくる改良型医薬品はこの画期的医薬品の欠点を補っていることが多い。

他の既存薬に対して明確な優位性を持つ薬を、欧米では ベスト・イン・クラス(Best-in-class)と呼んでいる。