すでにご存じの方も多いと思いますが、
27日の第85回都市対抗野球大会準々決勝で「家族始球式」というものがあるのですが、ダウン症の青年が投手、お父さんが捕手という、とても興味深い始球式があるそうです。

7月19日付の毎日新聞でこのようなうれしい話題が掲載されていました。

社会人野球・住友金属鹿島(現新日鉄住金鹿島)の元投手・簗瀬剛さん(46)と長男の光さん(18)が、27日の第85回都市対抗野球大会準々決勝で「家族始球式」に参加する。ダウン症の光さんが投げ、簗瀬さんが捕手役。父が踏めなかった東京ドームのマウンドでの「晴れ舞台」は、父の選手時代のユニホームを着て臨むという。


※都市対抗野球始球式についての知識

都市対抗野球は毎年夏に行われる社会人野球のトーナメント大会。 始球式は1回戦、2回戦・準々決勝、準決勝・決勝に分けられる。

1回戦(各チーム初戦)の始球式では、各チームが選んだ者が始球式を行う。多くはチーム本社の役員や本拠地としている自治体の首長やミスコンテストのグランプリがマウンドに上るが、出場チームが指導している少年野球チームの選手などが務めることもある。

2回戦・準々決勝の始球式では、主催者の毎日新聞社が紙上で公募した2人組がバッテリーとして登場する。

準決勝・決勝の始球式には、著名人や社会人野球OBが登場する。

今年の目玉は、俳優の工藤阿須加(あすか)さん。 あの「ルーズヴェルト・ゲーム」沖原和也役を演じた俳優さんです。 かなり有名な話ですが、工藤公康(くどう きみやす)投手の息子です。 登板(?)は7月28日(月)準決勝第1試合 13時30分開始予定。



簗瀬さんは1991〜97年に選手として在籍、都市対抗本大会を4回経験したものの、東京ドームでの登板機会はありませんでした。引退後に投手コーチを務めた後、地元のクラブチーム「鹿島レインボーズ」でさらに7年間野球を続けたそうです。


記事に戻りますと、

選手5年目の秋に光さんが誕生。直後の染色体検査でダウン症と診断されたが、「何かスポーツをやってほしい」と、部屋におもちゃのボールを置いた。気がつくと、光さんはボールを転がして遊ぶようになり、5歳ごろから当時住んでいた社宅前の公園で、土日だけ父とキャッチボールをするようになった。

2004年に引っ越した自宅の庭には父が手作りのブルペンを製作。「一人でも投げられるように」と、捕手代わりのネットも設置した。毎日50球を投げ込む球威は「受けるのが怖いくらい」(簗瀬さん)まで増し、当初約7メートルだったブルペンの長さも、今は庭の端ぎりぎりの約10メートルまで伸びた。

光さんは小学校卒業後、県立鹿島養護学校(現鹿島特別支援学校)に通い、今春から就労移行支援施設で社会人1年目の生活を送っている。

これまで野球の相手は、ほとんど簗瀬さんだけだった。始球式が決まり、簗瀬さんは「後ろを守ってくれる選手がいる『チーム』の野球をやっと経験させてやれる」と喜ぶ。一方、光さんは「野球はお父さんとやってきたから、きちんと二人で打者と対戦する」と意気込んでいる。



ちなみに家族始球式参加家族は、都市対抗野球を主催している毎日新聞社が毎年募集しています。募集条件には応募者と野球とのかかわりや思い出などを300字以上、400字以内の作文にまとめ提出するそうです。

光さん親子には上記時数では書き切れないほど多くの思い出があるに違いありません。私も同じ障害を持っている息子の父として、少しでも見習いたいと思います。


■余談
都市対抗野球は今年は輪をかけて盛り上がるそうです。
もちろん池井戸潤原作の「ルーズヴェルト・ゲーム」効果。

始球式には沖原和也役の工藤阿須加さんも登場するそうですし、私もルーズヴェルト・ゲームを最初から見ていましたが、このドラマはとても面白く、単行本まで買ってしまいましたし、都市対抗野球にとても興味を持ちました。ちなみにこのドラマの平均視聴率は約14.5%と高視聴率だったそうです。

工藤阿須加さんの父親は元プロ野球選手の工藤公康さんで妹はプロゴルファーの工藤遥加さん。信じられないことに野球経験はなく、その代わりにテニスはプロを目指すほどの腕前だったそうです。ドラマではお父さんの工藤公康さんが徹底してピッチングフォームのアドバイスをされたと聞いています。

※ルーズヴェルト・ゲームに関しては下記コラムが詳しいです。

  → ルーズヴェルト・ゲームと都市対抗野球大会

実は私は悪役の立川談春さんにはまって、書籍落語のCDをつい買ってしまったほどです^^;





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